第2回 赤城山湧水編

赤城山湧水

赤城山(あかぎやま)は、関東地方の北部、群馬県のほぼ中央に位置し、
カルデラ湖を持つ関東地方で有数の複式火山です。
榛名山、妙義山と並び、上毛三山の一つに数えられ、日本百名山、日本百景の
ひとつにも選ばれています。
『裾野は長し 赤城山』と地元上毛カルタでも読まれるほど裾野が広く
緩やかな高原台地をなす風光明媚な赤城山。
その中腹には、知る人ぞ知る「御神水・美人の水・智慧の水」という3種類の
湧水があります。私たちスタッフはさらなる美(?)を追求すべく、
いざ赤城山へと向かいました。

罫線 すそ野は長し赤城山

赤城山までの道中には、 有名な一の鳥居となる朱色のとても大きな鳥居が道路をまたいでそびえ立っています。その鳥居をくぐり抜け山頂を目指すと、道中、 紅葉の時期ということもあり色とりどりの木々の葉が紅に色づき始め、訪れる人の目を楽しませてくれます。

途中立ち寄った覚満淵は、標高1360メートルに位置する湿原で、赤城の「小尾瀬」とも呼ばれ、様々な高山植物が自生しています。なかでもミズコケやコケモモなどの植物が形成されることは地域的に珍しく、自然保護地に指定されています。そんな珍しい植物や野鳥などを写真におさめようと、一年を通して多くのカメラマンが訪れる人気のスポットでもあります。

湿原内には木道が敷設されていて誰でも気軽に散策が出来るようになっています。一歩足を踏み入れると、そこは黄金色に輝く植物と青く澄んだきれいな空、 水面に映し出される雲と秋の織りなす美しい景色に囲まれて一瞬時を忘れて心がすぅっと癒されます。

 

罫線 赤城神社

噴火により形成されたカルデラ湖の大沼の岬に鎮座し、 湖に浮かんでいるかのように見えるここ赤城神社は、 主催神に赤城大明神赤城山と湖の神様をお祀りするとてもきれいな朱色の神社です。

雄大なる山並みは力の強い男性神、湖の美しさは女性神として昔から崇められてまいりました。またここ赤城神社には、とても美しい二人の姫が赤城大明神に召されて、赤城の神様になったとの伝説があり、以来、湖の神様に願った女性の願いは必ずかなえられる・美人の娘を授かるなどと伝えられています。

私たちスタッフも湖の神様に願いを込めて来たので、ますますの美を間違いなく約束されました。

三種の湧水 石段

山頂に到着すると、さきほど訪れた覚満淵が眼下にひろがり壮大な景色を眺めることができます。するとそこには、現在では廃線になってしまった赤城登山鉄道という旧黒保根村と赤城山頂を結ぶケーブルカーの駅舎が、今もなお当時の姿を残し訪れる登山者をやさしく出迎えてくれます。

今回の目的地、三種の湧水はこのケーブルカーの軌道跡に沿って約800段の石段を下ったところにあり、その急峻な勾配は、さきほどまでの悠然な景色から一転、未知の世界への入口に通じるかのようでもあり、不用意に侵入してはならない、 と神々が警告をしているかのようでもあります。勇気を振り絞り一段一段慎重に下りはじめると、 あらためてその急な斜面に度肝をぬかされます。途中、立ち止まって振り返ると眼前にそそり立つようなその急な傾斜に驚嘆し、かつてこの場所をケーブルカーが走り賑わっていたことに思いを巡らせて、さらに驚かされました。

下ることおよそ30分、赤い屋根の小さな小屋が見えてきました。そうです!ようやく目的地である御神水に到着したのです。小屋からは3種類の湧水がとうとうと流れ出ていて、美人の水、御神水、智慧水と札のさがった透きとおり光り輝くその無垢な水は何か神秘的なものを感じました。足を震わせやっとの思いでたどり着いた三種の湧き水。どの水にもあやかろうとばかりに幾度となく水を口にすると、疲れた体と渇いたのどにとても冷たくておいしく、 体のすみずみに鋭気が行き渡った感じがしました。

ご神水

ふと近くの看板に目をやると、そこには赤城山名称の由来が記されていました。 色々な伝承があるようですが、あかは色彩の赤色ではなく「水」を意味する閼伽(あか)よりきたもので、平安朝においても天皇に献上する水を「あか」といわれ、赤城の「あか」も仏や貴賓に献上する功徳水が多く湧き出した所であること、また、城(キ)は"囲い"や"器(うつわ)" を意味し、功徳水の器と言う意味で「あかぎ」といわれ、のちに赤城になったというものです。

そしてこの赤城御神水は皇族に献上されていたのではないか、という由縁が記されています。ますますその水にご利益があるように感じました。御神水からの岐路、今度は逆にあの駅舎まで石段を登らなくてはなりません。運動不足のスタッフには、帰りはとても厳しくとても辛く長い道のりとなった事は言うまでもありません。弱音を吐き、泣きながらも、御神水のご利益のおかげか何とか登り終える事が出来ました。今回の取材で、赤城山の雄大な景色ときれいな水にとても心癒されました。

 

日本酒赤城山 取材を終えて 赤城山取材チーム

私たち群馬県民にとって、上毛三山のひとつ赤城山は身近な存在ですが、調べてみると新たな発見がありました。実際足を運んでみると笑いあり涙あり体力勝負な旅となりました。御神水の効果にあやかり、壮大な景色ときれいな水にとても心を癒されリフレッシュされた1日でした。

2008年10月21日取材 
  (取材スタッフ 山口、神部、飯野)

投稿者 アクアス総研 : 2008年11月19日 09:15